rescue me from me

歴史好き、地理好き、投資好きの30代が興味のあることを書いていきます。

【雑学】戦国時代、女性は強かった?ポルトガル人宣教師ルイス・フロイスの記録した日本の意外な男女関係

戦国時代(16世紀)に来日したポルトガル人宣教師、ルイス・フロイスは、35年もの間、日本で布教を行い、長崎で亡くなりました。布教を行うかたわら、日本に関する記録を多く書き残していますが、その中でも、文化を比較したものが『ヨーロッパ文化と日本文化』です。

宣教師なだけあって、布教に不都合な人物や事柄はけちょんけちょんにこき下ろすことも多いので、頭っから信じない方が良いと思いますが、男女関係に関する記録がなかなか面白かったのでご紹介。

ヨーロッパ文化と日本文化 (岩波文庫)

新品価格
¥735から
(2013/12/8 22:23時点)

夫が妻の後ろを歩いてた

ヨーロッパでは夫が前、妻が後ろになって歩く。日本では夫が後、妻が前を歩く。

『ヨーロッパ文化と日本文化』ルイス・フロイス著 岡田章雄訳注(p48)

後ろを歩いていたからって男性の方が地位が低いとは限りませんが、かなり意外。今でも勇猛で知られる戦国武将がもしそうだったりすると、なんかイメージ違いますね。

妻が夫にお金を貸すこともあった(しかも高利で)

ヨーロッパでは財産は夫婦の間で共有である。日本では各人が自分の分を所有している。時には妻が夫に高利で貸付ける。

『ヨーロッパ文化と日本文化』ルイス・フロイス著 岡田章雄訳注(p48)

これは現代より夫に厳しいんじゃないでしょうか…。しかし金利はまけて欲しい…。

離婚は普通だし、妻から夫に離婚を求めることも

ヨーロッパでは、妻を離別することは、罪悪である上に、最大の不名誉である。日本では意のままに幾人でも離別する。妻はそのことによって、名誉も失わないし、また結婚もできる。

 

汚れた天声に従って、夫が妻を離別するのが普通である。日本では、しばしば妻が夫を離別する。

『ヨーロッパ文化と日本文化』ルイス・フロイス著 岡田章雄訳注(p49)

家と家のしがらみで離婚しづらいと思ってたんですが、なんか普通にしてたみたいです。普通どころか、奥さんの方から離婚を切り出すケースも多かったみたいです。

妻も娘も門限とかないし、外出許可なんてとらない

ヨーロッパでは娘や処女を閉じ込めておくことはきわめて大事なことで、厳格におこなわれる。日本では娘たちは両親にことわりもしないで一日でも幾日でも、ひとりで好きな所へ出かける。

 

ヨーロッパでは妻は夫の許可が無くては、家から出ない。日本の女性は夫に知らせず、好きな所に行く自由をもっている。

『ヨーロッパ文化と日本文化』ルイス・フロイス著 岡田章雄訳注(p49)

自由ですね。

処女性や貞操観念は重視されてなかった

ヨーロッパでは未婚の女性の最高の栄誉と貴さは、貞操であり、またその純潔が犯されない貞潔さである。日本の女性は処女の純潔を少しも重んじない。それを欠いても、名誉も失わなければ、結婚もできる。

『ヨーロッパ文化と日本文化』ルイス・フロイス著 岡田章雄訳注(p39)

昔は今より処女性や貞操観念が重視されていたという先入観がありますが、戦国時代は違っていたようです。この辺はまぁ個人にもよりますが現代と同じ感じかな。

性病は当たり前

われわれの間では人が横根(よこね)にかかったら、それは常に不潔なこと、破廉恥なことである。日本では、男も女もそれを普通の事として、少しも羞じない。

 

[訳注]

横根という言葉は『日葡辞書』にも見え、「ヨコネ―鼠蹊部に生ずる腫瘍、すなわち横根(mula)」と記されている。

『ヨーロッパ文化と日本文化』ルイス・フロイス著 岡田章雄訳注(p137)

おおらかですね。

尼寺に売春婦がいっぱいいた

ヨーロッパでは修道女の隠棲および隔離は厳重であり、厳格である。日本では比丘尼(biqunis)の僧院はほとんど淫売婦の街になっている。

 

われわれの間では、普通修道女はその修道院から外へ出ない。日本の比丘尼(biqunis)はいつでも遊びに出かけ、時々陣立(jindachi)に行く。

『ヨーロッパ文化と日本文化』ルイス・フロイス著 岡田章雄訳注(p52~p54)

陣立は軍陣、つまり戦場です。多くの場合、奥さんは連れてこれなかったでしょうから、戦場では売春が盛んに行われていたようです。

男性が料理を作る

ヨーロッパでは普通女性が食事を作る。日本では男性がそれを作る。そして貴人(フイタルゴ)たちは料理を作るために厨房に行くことを立派なことだと思っている。

『ヨーロッパ文化と日本文化』ルイス・フロイス著 岡田章雄訳注(p56)

偉い!

少年が化粧してた

われわれの間では女性だけが化粧品と白粉を利用する。日本の上流社会では十歳までの少年が外出する時に、同様に化粧品を使う。

『ヨーロッパ文化と日本文化』ルイス・フロイス著 岡田章雄訳注(p69)

これはショタ歓喜ですね。

女性が殿の家にいくと捕まる

ヨーロッパでは既婚または未婚の女性が、何かたまたま起こった出来事のために、どこかの紳士の家に身を寄せたならば、そこで好意と援助を受けて、無事に置かれる。日本ではどこかの殿(tono)の家に身を寄せたならば、その自由を失い、捕われの身とされる。

『ヨーロッパ文化と日本文化』ルイス・フロイス著 岡田章雄訳注(p194~p195)

…殿下衆いですね。今までの話だと甘そうなイメージがわいてきちゃいましたが、何だかんだで甘くない現実もありそうです。

その他ルイス・フロイスが記録したこと

ルイス・フロイスが書いた『ヨーロッパ文化と日本文化』には、その他以下のようなことも書かれています。男女関係以外にも面白いことがたくさん書かれてますよ。

  • 男性の風貌・慣習についての比較
  • 女性の風貌・慣習についての比較
  • 児童とその風俗についての比較
  • 宗教・坊さんについての比較
  • 食事・飲酒についての比較
  • 武器についての比較
  • 馬についての比較
  • 病気・医者・薬についての比較
  • 書法・書物・紙・インク・手紙についての比較
  • 家屋・建築・庭園・果実についての比較
  • 船と船の慣習や道具についての比較
  • 劇・舞踊・歌および楽器についての比較

 

ヨーロッパ文化と日本文化 (岩波文庫)

新品価格
¥735から
(2013/12/8 22:23時点)

以上おしまい